既に分譲マンションにお住まいの方はよくご存知のことと思いますが、住んだことのない方は分からない事も多いと思います。
このシリーズでは、分譲マンションとは、区分所有法、敷地の権利と敷地権、管理組合と管理会社、管理費等と修繕積立金、マンションの構造と音の問題、長期修繕計画と大規模修繕工事、マンションのメリットとデメリット等について書いていこうと思います。
第6回目は「マンションの構造と音の問題」について書いてみます。
マンションの構造と音の問題
マンションの構造は主に鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造で、木造や軽量鉄骨造のアパートと比べると音は響きにくい構造となっています。
しかし、残念ながらマンションでもアパート同様音に関するトラブルがあります。
共同住宅の宿命と申しましょうか、避けて通れない問題でもあります。
1. 音の伝播の原理
音は振動として伝わります。マンションでは主に2つの方法で音が伝わることが一般的です。
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- 空気中の伝播: 話す声や音楽などの音が空気を通じて伝わります。
- 構造伝播: 人が歩く、家具を動かすなどの振動が床や壁を通じて伝わります。
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- 空気中の伝播は多人数で大声を出したり、楽器を鳴らす、テレビの音を大きく鳴らすなどの音が聞こえるものです。
- 階上の音が気になる場合、それは通常、歩行や物の落下、建具の開け締めなどから生じるインパクトノイズである可能性が高いです。
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2. マンションの構造と音の問題
2.1 壁・床・天井の構造
壁や床、天井の材料とその厚さは、音の伝わり方に大きく影響します。
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- 薄い壁: 薄い壁や軽量な材料は、隣接する部屋の音を容易に通す可能性があります。
2.2 階間の騒音
特に階間の騒音は、多層階のマンションではよくある問題です。
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- 幼い子どもたちが走り回る音
- 物を落とした時の音
- 建具を勢いよく開閉した時の音
- テレビやオーディオ音量が大きい時の音
- ピアノなど楽器を鳴らした時の音
- 掃除機や洗濯機などの機械音
3. 対策
具体的な騒音問題に対しては、専門の建築士や管理組合に相談するとよいでしょう。遮音のための工法や材料を適切に選ぶだけでなく、住人同士の協力も重要です。例えば、騒音が特に気になる時間帯におけるルール作りなどが効果的な場合があります。
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- 階上の住人にカーペットの敷設をお願いすることで、インパクトノイズを軽減できることがあります。特に、歩行音に対して効果的な対策となる場合が多いです。
- 天井に吸音材を取り付けることで、部屋の中での反響を減らし、階上からの音を和らげる効果が期待できます。また、天井に防音パネルを設置することで、階上からの音の進入を減らすことができることがあります。
- 窓に防音カーテンを取り付けると、部屋全体の響きを減らす効果があります。これは、階上の音だけでなく、外部からの騒音に対しても効果的です。
4.一番は階上住人とのコミュニケーション
階上の住人と話し合い、問題の認識を共有することが有効な場合もあります。共感と協調の精神で、解決策を探ることが重要です。
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- マンション内の共有エリアや隣接する住居との騒音トラブルを回避するために、コミュニティ全体でのガイドラインが役立つ場合があります。
参考
SUUMO マンションの騒音トラブルはどう対処する? よくある実例と対策