分譲マンションを学ぼう vol.8 (最終回)

既に分譲マンションにお住まいの方はよくご存知のことと思いますが、住んだことのない方は分からない事も多いと思います。

このシリーズでは、分譲マンションとは、区分所有法、敷地の権利と敷地権、管理組合と管理会社、管理費等と修繕積立金、マンションの構造と音の問題、長期修繕計画と大規模修繕工事、マンションのメリットとデメリット等について書いていこうと思います。

第8回目は「マンションのメリットとデメリット」について書いてみます。今回がこのシリーズの最終回となります。

一般的な答えとなりますが、マンションと一戸建て双方のメリットとデメリットを書き出してみます。

マンション

メリット

      • セキュリティ: 管理人やオートロックなどのセキュリティ体制が整っていることが多い。
      • 共用施設: ジムやプールなどの共用施設がある場合も。
      • メンテナンス: 外壁などの大規模修繕は管理組合が行うため、個人の負担が少ない。
      • 立地: 駅近や商業施設が集まるエリアにマンションが多いため、便利。
      • 隣人との距離: 隣人との間隔が近いため、コミュニティが形成しやすい。
      • 災害対策: 大規模なマンションでは、耐震構造や非常用発電機などの災害対策が整っていることが多い。
      • 共同生活: 管理組合の活動に参加することで、地域社会とのつながりが深まる場合も。
      • デザインのバリエーション: マンションには多様なデザインやプランが存在するため、自分の好みに合ったものを選ぶことができる。
      • 初期費用の抑制: 一戸建てに比べて、同じ立地条件であれば初期費用を抑えることが可能な場合がある。
      • バリアフリー設計: 高齢者にも配慮されたエレベーターの設置や段差のない設計など、バリアフリーに対応していることが多い。

デメリット

      • 管理費: 管理費や修繕積立金が必要。
      • プライバシー: 隣人との距離が近いため、騒音などのトラブルが起きやすい。
      • 自由度: ペットの飼育や改装など、管理規約による制限があることが多い。
      • 将来価値: 建物の劣化や周囲の環境変化により、価値が下落する可能性がある。
      • エレベーター待ち: 高層マンションの場合、エレベーターの待ち時間が発生することがある。
      • ペットの制限: ペットの飼育が禁止または制限されているマンションも多い。
      • 共用部分のトラブル: 共用部分の管理が行き届かないと、清掃や故障などの問題が起きることがある。
      • 隣人の生活音: 生活音や足音などが気になる場合があります。
      • ルール遵守の必要性: 管理規約や他の住人との共同生活ルールを守る必要がある。

マンションに住まうことで、建物の共用部分の管理やセキュリティを管理組合(実際には委託先の管理会社)が行うため、時間の節約が出来てゆとりが生まれます。

一戸建て住宅

メリット

      • 自由度: 自分の好きなように改装や増築が可能。
      • プライバシー: 隣人からの距離があり、プライベートな空間を楽しめる。
      • 庭: 自分だけの庭を持てるため、ガーデニングなどの趣味にも。
      • ペット: 制限なくペットを飼育できることが多い。
      • 将来の資産価値: 土地の価値が上昇するエリアであれば、資産としての価値も上がる。
      • 自然とのつながり: ガーデンや庭があることで、自然と一体感を感じることができる。
      • 家族の成長に合わせた変更: 子供の成長に合わせて部屋の変更など、柔軟に対応可能。
      • 子育て環境: 自由に遊べる庭などがあるため、子供がのびのびと育つ環境を提供できる場合がある。
      • エコロジー対応: 自分で太陽光パネルなどを設置するなど、エコ対応の自由度が高い。

デメリット

      • 維持費: 修繕費やメンテナンス費が全て自己負担。
      • セキュリティ: セキュリティ体制を自分で整える必要がある。
      • 立地: 都心から離れた場所に一戸建てが多く、交通の便が悪いことがある。
      • 災害リスク: 地震などの自然災害に対して、古い一戸建て住宅はマンションに比べて脆弱なことがある。
      • 近隣トラブル: 境界線の問題や騒音などで、近隣とのトラブルが起きることがある。
      • 遠くからの通勤: 都心の一戸建ては高価であるため、郊外に住むことになると通勤が大変になる場合も。
      • 保険の必要性: 災害リスクなどから、保険の加入が必要となることが多い。これによるコストも考慮する必要がある。
      • 不具合時の対応: 何か不具合が発生した場合、自分で業者を見つけて対応する必要がある。
      • 周辺の変化への影響: 周囲の土地利用の変化によって、景観や生活環境が変わることがある。

 マンションと一戸建て、それぞれの選択には独自の魅力と課題があります。最終的な選択は、現在のライフステージ、未来のプラン、家族構成、趣味、仕事の場所など、多岐にわたる要素を考慮する必要があります。

 具体的なプランを立てる際には、不動産の専門家に相談すると共に、実際に現地を訪れ、感じることも重要です。フィットする住まいを見つけることは、毎日の生活の質を大きく左右しますので、じっくりと考え、相談し、見学することをお勧めします。

 ライフグループの椿不動産では、分譲土地、再生一戸建住宅、再生マンション、新築分譲住宅を提供や仲介で皆様のマイホーム取得をお手伝いしております。
お問い合わせはお電話又は問い合わせフォームからお願いします。

分譲マンション 2つの老いへ法改正

1月16日法制審議会の区分所有法制部会は老朽化した分譲マンションの建て替えを促進する制度見直しの要綱案を取りまとめた。法務省は通常国会へ区分所有法などの改正案提出を目指す。

現状

1.今後老朽化した分譲マンションが急増していく見込み。
2.高経年区分所有建物の増加と区分所有者の高齢化を背景に、相続等を契機として、区分所有建物の所有者不明化や区分所有者の非居住化が進行

問題点

● 不明区分所有者等は決議において反対者と扱われ、決議に必要な賛成を得るのが困難
● 特に、建替え等の区分所有建物の再生の意思決定は、要件が厳格で更に困難
→ 区分所有建物の管理不全化を招くとともに、老朽化した区分所有建物の再生が困難に
● 被災して大きなダメージを受けた区分所有建物についても建替え等の要件が厳しい上に被災区分所有法に基づく災害指定政令の施行後1年以内に決議が必要
→ 被災区分所有建物の再生に必要な賛成を得るための時間が足りず、円滑な復興に支障

主な方策

建て替え決議の合意条件
法務省は老朽化した分譲マンションの建て替えについて、決議に必要な区分所有者の合意条件を現在の5「分の4以上」から、条件付きで「4分の3以上」に緩和する方針。
その条件とは
① 耐震性の不足
② 火災に対する安全性の不足
③ 外壁等の剥落により周辺に危険を生ずる恐れ
④ 給排水管等の腐食等により著しく衛生上有害となるおそれ
⑤ バリアフリー基準への不適合
が検討されている。

被災区分所有建物の再生の円滑化を図る方策
1.建て替え・建物敷地売却決議等の多数決要件の緩和
被災した区分所有建物の建て替え決議等の多数決要件は5分の4、変更決議等の多数決要件は4分の3とされ、必要な行為を迅速に行うことが出来ず、早期復興を阻害する恐れがある。
そこで、多数決割合を3分の2とする案を軸に検討
2.被災区分所有法に基づく決議可能機関の延長
被災した区分所有建物の建物敷地売却決議等の決議可能期間が1年とされているのは短すぎ、準備が困難である。
そこで、決議期間を3年に延長する案を軸に検討

上記以外にも方策が多々あるがここでは割愛する。割愛した部分については「参考」のURLリンクで紹介しているので参照してほしい。

効果

今後老朽化した分譲マンションが建て替え決議がしやすくなる。
都心では容積率の緩和など、行政が建て替えを支援している区域で建て替えが一気に増えていくものと思われる。
一方で死ぬまでの期間を住めれば良いい等の建て替えに後ろ向きな高齢者が多いマンションや都心から外れたマンションなど法改正に関わらず建て替えは進まないものと思われる。また、区分所有者の相続人が相続を放棄するなどして、空き家が増えるとともに管理費や修繕積立金の滞納が増えていき、スラム化する恐れがある。

 

参考

法務省 法制審議会 区分所有法制部会
https://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_003007_00004

法務省 法制審議会区分所有法制部会第17回会議(令和6年1月16日開催)
https://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900001_00234.html

法務省 法制審議会第196回会議配布資料 区分所有法の見直しについて
https://www.moj.go.jp/content/001380435.pdf

法務省 区分所有法の見直し
https://www.moj.go.jp/content/001399230.pdf

法務省 マンションを取り巻く現状について(1)
https://www.moj.go.jp/content/001385377.pdf

法務省 マンションに関する法体系
https://www.moj.go.jp/content/001383079.pdf

法務省 マンション建替えにおける賃借権に関する事例
https://www.moj.go.jp/content/001387930.pdf

法務省 老朽化した区分所有建物の建替え等に関する諸外国の区分所有法制及びその運用状況等に関する調査研究報告書
https://www.moj.go.jp/content/000111180.pdf

国土交通省 マンション建替円滑化法の改正概要
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001404906.pdf

国土交通省 マンション政策
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000040.html

国土交通省 マンション建替え等・改修について
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000050.html

国土交通省 ごぞんじですか?「マンション建替法」改正について
https://www.mlit.go.jp/common/001090271.pdf

国土交通省 容積率の緩和特例について
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr5_000008.html

国土交通省 老朽化マンションの建替え等の現状について
https://www.mlit.go.jp/common/001024893.pdf

以上、2024年1月17日時点におけるリンク先情報です。その後のリンク切れにつきましてはご容赦ください。

 

分譲マンションを学ぼう vol.7

既に分譲マンションにお住まいの方はよくご存知のことと思いますが、住んだことのない方は分からない事も多いと思います。

このシリーズでは、分譲マンションとは、区分所有法、敷地の権利と敷地権、管理組合と管理会社、管理費等と修繕積立金、マンションの構造と音の問題、長期修繕計画と大規模修繕工事、マンションのメリットとデメリット等について書いていこうと思います。

第7回目は「長期修繕計画と大規模修繕工事」について書いてみます。

長期修繕計画

分譲マンションの長期修繕計画とは、建物の劣化に伴う修繕工事の実施時期と費用を、30年以上の長期にわたって計画したもののことです。

長期修繕計画の4つの要素

      • 建物の劣化状況
      • 修繕工事の内容
      • 修繕工事の実施時期
      • 修繕積立金の収支計画

建物の劣化状況は、専門の業者による調査を実施して、外壁・屋根・基礎・設備など、各部位の劣化状況を把握します。修繕工事の内容は、建物の劣化状況に基づいて、必要な工事内容と工事費用を算出します。修繕工事の実施時期は、建物の劣化状況と修繕工事の内容に基づいて、工事の優先順位を決め、実施時期を定めます。修繕積立金の収支計画は、修繕工事の実施時期と費用に基づいて、毎月の修繕積立金を算出します。

長期修繕計画は、マンションの管理組合が作成し、区分所有者全員の同意を得て、定款に記載する必要があります。

長期修繕計画の作成は、マンションの管理組合にとって非常に重要なものです。長期修繕計画がなければ、必要な修繕工事を実施する資金が不足したり、修繕工事の時期を逃したりする可能性があります。また、修繕工事の内容や費用を区分所有者間で十分に共有できていない場合、トラブルに発展する可能性もあります。

長期修繕計画の作成に際して生じる問題点

      • 専門的な知識や技術が必要なため、作成が難しい
      • 修繕工事の費用は、物価や技術の進歩によって変動するため、計画通りに実行できない可能性がある
      • 区分所有者間で、修繕工事の時期や費用について意見が対立する可能性がある

これらの問題点を解決するためには、以下の点に注意が必要です。

専門の業者に委託して、作成を支援してもらう

修繕工事の費用について、将来の変動も考慮した計画を立てる

区分所有者間で、修繕工事について十分な情報共有と合意形成を図る

長期修繕計画は、マンションの資産価値を維持し、安全で快適な暮らしを守るために欠かせません。管理組合は、これらの問題点を意識しながら、長期修繕計画の作成・運用に取り組むことが重要です。

 

大規模修繕工事

分譲マンションにおける大規模修繕工事とは、建物の劣化に伴う修繕工事のことです。外壁・屋根・基礎・設備など、建物の主要な部位の修繕工事を総称して「大規模修繕工事」と呼びます。

大規模修繕工事のつの目的

      • 建物の安全性を確保する
      • 建物の機能性を維持する
      • 建物の価値を維持する

大規模修繕工事の実施時期は、一般的に築10~12年を目安としています。しかし、建物の立地や気候、使用状況などによって、劣化状況は異なるため、建物の状況に応じて、適切な実施時期を判断する必要があります。

大規模修繕工事の費用は、マンションの規模や工事内容によって異なりますが、一般的に1戸あたり数十万円から数百万円程度の費用がかかります。費用は、修繕積立金から支出されます。

大規模修繕工事の工事内容

      • 外壁塗装
      • 屋上防水工事
      • バルコニー防水工事
      • 給水管・排水管の更新
      • 電気設備の更新
      • エレベーター・エスカレーターの更新
      • 防災設備の更新

大規模修繕工事実施の際に生じる問題点

      • 修繕積立金の不足
      • 区分所有者間の合意形成の難しさ
      • 工事の品質や価格のトラブル
      • 工事費の値上がり

修繕積立金の不足は、大規模修繕工事の最大の問題点です。
修繕積立金は、毎月の管理費等と一緒に集金され積み立てられていますが、滞納や、修繕積立金の運用損失などによって、不足する可能性があります。

区分所有者間の合意形成の難しさも、大規模修繕工事の課題です。大規模修繕工事には、費用や工事内容などについて、区分所有者間で十分な合意形成が必要です。しかし、区分所有者間の意見が対立するケースも少なくありません。

工事の品質や価格のトラブルも、大規模修繕工事において発生する可能性があります。工事の品質が悪いと、建物の資産価値が低下したり、安全性が損なわれたりする可能性があります。また、工事価格が予定よりも高額になるケースも少なくありません。

これらの問題点を解決するために、以下の点に注意

      • 修繕積立金を適切に積み立てる
      • 区分所有者間で十分な情報共有と合意形成を図る
      • 信頼できる業者を選ぶ

大規模修繕工事は、マンションの資産価値を維持し、安全で快適な暮らしを守るために欠かせません。管理組合は、これらの問題点を意識しながら、大規模修繕工事の計画・実施に取り組むことが重要です。

具体的な対策

      • 管理費の滞納対策を講じる
      • 修繕積立金の運用方法を検討する
      • 区分所有者向けの説明会やアンケートを実施する
      • 複数の業者から見積もりを取る

また、国土交通省では、マンション管理適正化法に基づき、大規模修繕工事の円滑な実施を支援するための制度を整備しています。

国土交通省の支援制度

      • 長期修繕計画の作成・運用支援
      • 大規模修繕工事の見積もり比較支援
      • 大規模修繕工事の品質確保支援

管理組合は、これらの制度を活用することで、大規模修繕工事をよりスムーズに実施することができるかもしれません。

参考

国土交通省 マンション管理についてhttps://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000052.html

国土交通省 報道発表資料(「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」及び 「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の見直しについて)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001425184.pdf

国土交通省 マンションの修繕積立金に関するガイドライン(PDF)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001600153.pdf

国土交通省 マンション管理についてhttps://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000052.html

NHK マンション修繕費などの積立金不足で専門家検討会 国土交通省
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231030/k10014241941000.html

 

2023-2024年 年末年始休業日について

椿不動産の年末年始休業日についてお知らせします。

★年末年始休業日:
202312月29日(金)~20241月4日(木)

休業明けの営業開始は、1月5日(金)からとなります。
尚、休業期間中のお問い合わせに関しましては、
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分譲マンションを学ぼう vol.6

既に分譲マンションにお住まいの方はよくご存知のことと思いますが、住んだことのない方は分からない事も多いと思います。

このシリーズでは、分譲マンションとは、区分所有法、敷地の権利と敷地権、管理組合と管理会社、管理費等と修繕積立金、マンションの構造と音の問題、長期修繕計画と大規模修繕工事、マンションのメリットとデメリット等について書いていこうと思います。

第6回目は「マンションの構造と音の問題」について書いてみます。

マンションの構造と音の問題

マンションの構造は主に鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造で、木造や軽量鉄骨造のアパートと比べると音は響きにくい構造となっています。

しかし、残念ながらマンションでもアパート同様音に関するトラブルがあります。

共同住宅の宿命と申しましょうか、避けて通れない問題でもあります。

1. 音の伝播の原理

音は振動として伝わります。マンションでは主に2つの方法で音が伝わることが一般的です。

    • 空気中の伝播: 話す声や音楽などの音が空気を通じて伝わります。
    • 構造伝播: 人が歩く、家具を動かすなどの振動が床や壁を通じて伝わります。
      1. 空気中の伝播は多人数で大声を出したり、楽器を鳴らす、テレビの音を大きく鳴らすなどの音が聞こえるものです。
      2. 階上の音が気になる場合、それは通常、歩行や物の落下、建具の開け締めなどから生じるインパクトノイズである可能性が高いです。

2. マンションの構造と音の問題

2.1 壁・床・天井の構造

壁や床、天井の材料とその厚さは、音の伝わり方に大きく影響します。

    • 薄い壁: 薄い壁や軽量な材料は、隣接する部屋の音を容易に通す可能性があります。

2.2 階間の騒音

特に階間の騒音は、多層階のマンションではよくある問題です。

    • 幼い子どもたちが走り回る音
    • 物を落とした時の音
    • 建具を勢いよく開閉した時の音
    • テレビやオーディオ音量が大きい時の音
    • ピアノなど楽器を鳴らした時の音
    • 掃除機や洗濯機などの機械音

3. 対策

具体的な騒音問題に対しては、専門の建築士や管理組合に相談するとよいでしょう。遮音のための工法や材料を適切に選ぶだけでなく、住人同士の協力も重要です。例えば、騒音が特に気になる時間帯におけるルール作りなどが効果的な場合があります。

    • 階上の住人にカーペットの敷設をお願いすることで、インパクトノイズを軽減できることがあります。特に、歩行音に対して効果的な対策となる場合が多いです。
    • 天井に吸音材を取り付けることで、部屋の中での反響を減らし、階上からの音を和らげる効果が期待できます。また、天井に防音パネルを設置することで、階上からの音の進入を減らすことができることがあります。
    • 窓に防音カーテンを取り付けると、部屋全体の響きを減らす効果があります。これは、階上の音だけでなく、外部からの騒音に対しても効果的です。

4.一番は階上住人とのコミュニケーション

階上の住人と話し合い、問題の認識を共有することが有効な場合もあります。共感と協調の精神で、解決策を探ることが重要です。

    • マンション内の共有エリアや隣接する住居との騒音トラブルを回避するために、コミュニティ全体でのガイドラインが役立つ場合があります。

参考

SUUMO マンションの騒音トラブルはどう対処する? よくある実例と対策

 

分譲マンションを学ぼう vol.5

既に分譲マンションにお住まいの方はよくご存知のことと思いますが、住んだことのない方は分からない事も多いと思います。

このシリーズでは、分譲マンションとは、区分所有法、敷地の権利と敷地権、管理組合と管理会社、管理費等と修繕積立金、マンションの構造と音の問題、長期修繕計画と大規模修繕工事、マンションのメリットとデメリット等について書いていこうと思います。

第5回目は「管理費等と修繕積立金」について書いてみます。

管理費と修繕積立金

管理費

管理費は、マンションを所有している人々が共有の部分を使うために毎月払うお金です。これは、マンションの共有部分や施設の維持と運営に使われます。具体的な内容は以下の通りです。

      • 清掃費:共有の廊下やエントランス、エレベーターなどをきれいに保つためにお金が使われます。
      • 警備費:セキュリティや管理のために、警備員や監視カメラなどが維持されます。
      • エレベーター費:エレベーターの保守や修理に使われます。
      • 共有施設費:共有のプール、ジム、パーティールームなどの設備の維持に使われます。
      • 共有部分の照明や電力費:廊下や共有エリアの電気代も含まれます。
      • 管理会社の報酬:管理会社に支払われる報酬や各種手数料も含まれます。

管理費は、住区分所有者全員が分担して支払う必要があります。金額はマンションの大きさや設備によって異なります。

修繕積立金

修繕積立金は、将来の修繕や大規模な改修工事に備えるために毎月少しずつ貯金しておくお金です。具体的な内容は以下の通りです。

      • 建物の修繕:マンションの外壁や屋根、エレベーター、共有の配管など、時間が経つと劣化する部分を修理・改修するための資金です。
      • 共有部分のリニューアル:共有の部分や施設の改良・アップグレードのために使われます。例えば、新しいエントランスやプールの改装です。
      • 非常時の対応:火災や地震のような非常事態に備え、建物を安全に維持するための資金も含まれます。

修繕積立金は、将来の予想される修繕やメンテナンスのために、コミュニティ全体でお金を積み立てておくことが大切です。これによって、予期せぬ出費を一度にまとめて支払う必要がなくなり、マンションが長寿命で快適に保たれます。

要するに、管理費は日常の維持費用で、修繕積立金は将来の大規模な修繕や改修のためにお金を貯めるための積み立てです。どちらも住民全員の協力によって適切に管理される必要があります。

管理費と修繕積立金の重要なポイント

      • 支払い方法:管理費と修繕積立金は、通常、毎月の支払いです。マンションの管理会社または組合が金額を計算し、住民に請求書を送ります。住民は指定された期日までに支払う必要があります。
      • 金額の変動:管理費と修繕積立金の金額は、マンションの状態や設備の維持に応じて変動することがあります。大規模な修繕計画がある場合、修繕積立金の金額が増えることがあります。
      • コミュニケーション:住民は、管理費と修繕積立金の使途や予算について透明で明確な情報を求める権利があります。住民集会や報告書を通じて情報を共有し、住民の理解と協力を促すことが大切です。
      • 適正な使用:管理費と修繕積立金は、マンションの維持と住民の快適な生活のために使われます。無駄遣いを避け、資金を適切に管理することが重要です。
      • 予算計画:マンションの管理会社や組合は、長期的な予算計画を立てることがあります。これには将来の修繕予定(長期修繕計画)や大規模なプロジェクトに必要な資金を確保することが含まれます。

管理費は日常の維持費用で、修繕積立金は将来の修繕や改修のために貯金しておくお金と考えてください。マンション全体の共同作業によって、快適で安全な住環境を維持するための資金を確保し、協力し合うことが大切です。

注意すべき点

管理費と修繕積立金に関連して、注意すべき重要な点がいくつかあります。以下にその点を説明します。

      • 予算と透明性:区分所有者は、管理会社や組合から提供される予算と財務情報にアクセスできる権利があります。予算がどのように使われるのか、修繕積立金の使途が具体的にどうなるのか、透明で理解しやすい情報を提供することが重要です。
      • 貯金の必要性:修繕積立金は将来の予期せぬ出費に備えるために重要です。低い金額で積み立てると、将来の修繕に不足する可能性が高まります。適切な金額を積み立てることが大切です。
      • 緊急修繕への備え:突発的な修繕が必要な場合に備えて、緊急修繕基金を設けることが賢明です。緊急の修繕が必要な場合、この基金から支出できるため、住民の負担を軽減できます。
      • 予備予算と計画:管理会社や組合は、将来の修繕やメンテナンスの予算計画を策定し、適切な計画を持つことが重要です。これにより、予期せぬ出費を最小限に抑え、区分所有者に安心感を提供できます。
      • 区分所有者の参加:区分所有者は、管理会社や組合に参加し、予算やプロジェクトについて提案や意見を述べることができます。積極的な参加によって、コミュニティ全体の利益を考えた意思決定が行われます。
      • 法的基準の遵守:管理費と修繕積立金に関する法的基準や契約条件を守ることが不可欠です。法的義務を守ることによって、トラブルを避け、コミュニティ全体の安定性を確保できます。

これらの注意点を考慮し、管理費と修繕積立金を適切に管理することで、分譲マンションコミュニティは長寿命で繁栄し、区分所有者にとって快適な生活環境を提供できます。

修繕積立金不足問題

近年長期間外壁などが修繕されない老朽化マンションが増えており社会問題となっています。NHKでもスペシャル番組で報道されております。
新築時にしっかりとした長期修繕計画と修繕積立金の値上げ計画を立てることが重要です。
国土交通省が修繕積立金に関するガイドラインを発表しています。将来、修繕積立金がどの程度必要か参考にしてみてください。


「管理費等」の「等」については、管理組合によっては、マンションが位置する町内会の町内会費等が含まれる場合があるため、管理費等と表示しています。


参考

建物の区分所有等に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337AC0000000069

マンションの修繕積立金に関するガイドライン(2023年版)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001600153.pdf

 

分譲マンションを学ぼう vol.4

既に分譲マンションにお住まいの方はよくご存知のことと思いますが、住んだことのない方は分からない事も多いと思います。

このシリーズでは、分譲マンションとは、区分所有法、敷地の権利と敷地権、管理組合と管理会社、管理費等と修繕積立金、マンションの構造と音の問題、長期修繕計画と大規模修繕工事、マンションのメリットとデメリット等について書いていこうと思います。

第4回目は「管理組合と管理会社」について書いてみます。

管理組合とは

新築マンションが分譲されると管理組合が設立され、部屋を買った人(区分所有者)は全員管理組合の組合員になります。

マンション法(建物の区分所有等に関する法律)第3条によると
「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。」
とあります。

 新築分譲マンションが完成し入居が始まると、販売会社が初めての管理組合の総会を開催し、今後の管理組合運営方法や委託する管理会社との管理委託契約について説明があります。管理会社からは受託する管理委託契約の仕様等について説明があります。

 中古で購入した場合、管理組合や管理会社の連絡先などを不動産仲介会社が重要事項説明で説明してくれますが、契約時は緊張もしているだろうし、売買契約のことで頭がいっぱいであり覚えていない方が殆どではないだろうか。

 マンションの管理組合は、マンションに住んでいる人々が共同で建物や共有施設の管理を行うために結成される団体です。マンションの住民(区分所有者であり、組合員である)が集まり、共有の問題や決定事項について話し合い、適切な管理や維持を行う役割を果たしています。

管理組合の役員

 管理組合は、区分所有者全員が組合員となり、区分所有者から選挙で選ばれた者が管理組合の役員として運営をします。役員には、理事長や副理事長、会計係、理事などが含まれることがあります。これらの役員は、管理組合の運営を担当し、区分所有者の利益や共有施設の維持管理に努めます。

管理組合の役割

 管理組合の役割はいくつかあります。
まず、共有の施設や設備の管理です。例えば、エレベーターや廊下、駐車場、共用の庭園やプールなど、住民全員が利用する施設を管理し、必要なメンテナンスや修繕を行います。

 管理組合は、マンションの維持や修繕に関する計画や予算を策定します。建物や共有部分の修理や改装、防災対策など、大切な事項を区分所有者と協議して決めます。そのため、予算の使い道や修繕工事の契約などについて、住民の意見を聞いたり、組合総会で決定することもあります。

 管理組合は、マンション内でのルールや規則を策定し、住民の安全や快適な生活を確保します。例えば、騒音の制限、ゴミの分別ルール、ペットの飼育に関する規定などがあります。これらの規則は、区分所有者の合意のもとに作られ、守られることで、共同生活を円滑に進めることができます。

 管理組合は、住民の声や要望を反映させるために重要な役割を果たしています。住民は、管理組合の役員に対して問題や提案を伝えたり、意見を述べたりすることができます。そして、役員は住民の要望を受け止め、それに基づいて適切な対応や改善策を検討する役割を果たします。例えば、共有施設の改善や新たなサービスの導入など、住民の声に応じてマンションの環境や生活の質を向上させる努力を行います。

 管理組合は、定期的に組合総会を開催します。組合総会では、管理組合の役員が報告や説明を行い、重要な決定事項について区分所有者の意見を集めます。総会では、予算の承認や重要な決定の投票、役員の選任などが行われます。組合総会は、区分所有者が直接参加し、管理組合の運営に関与する機会となっています。

 管理組合は、必要に応じて専門家や業者と連携して業務を行います。例えば、修繕工事や法律問題の相談、会計業務などは、専門の業者やアドバイザーに依頼することがあります。これにより、より効果的な管理や専門知識を活用した運営が可能となります。

 最後に、管理組合は公正で透明な運営を心掛けることが重要です。役員は区分所有者の代表者として、マンション全体の利益を考え、公平な意思決定を行う責任があります。住民の声に耳を傾け、適切な情報の共有や意思決定プロセスの透明性を確保することが求められます。

以上が、管理組合の概要についての説明です。管理組合は、共同生活を円滑に進めるために重要な存在であり、住民の声や区分所有者の参加が管理組合の運営に大きな影響を与えることを覚えておいてください。

最近では管理組合の役員不足が問題になっています。
しかし、マンションの運営には管理組合員全員の協力が欠かせないのです。

管理会社への委託

マンションの管理組合が管理会社に委託する内容は、以下のようなものがあります。

    1. 施設管理:
      共有施設や設備の管理を行います。例えば、エレベーターや廊下、駐車場、共用の庭園やプールなどの日常的な清掃や点検、修繕、メンテナンスを管理会社が担当します。
    2. 契約管理:
      管理会社は、必要な契約の管理を行います。建物の清掃業者や警備会社、メンテナンス業者などの契約締結や管理、業者との連絡調整を担当します。
    3. 会計業務:
      管理会社は、管理組合の会計業務を担当します。予算の作成や管理、入居者からの管理費の集金や明細書の作成、経費の支払いなどを行います。
    4. 住民サポート:
      管理会社は、住民からの問い合わせや要望に対応し、サポートを提供します。例えば、修理依頼や設備の利用予約、ルールや規則に関する問い合わせに対応する役割があります。
    5. 緊急対応:
      管理会社は、緊急事態やトラブルの際に迅速に対応します。例えば、水漏れや停電、盗難被害などの緊急連絡先として対応し、必要な措置や業者手配を行います。
    6. 会議や報告書作成:
      管理会社は、管理組合の役員会や組合総会の運営や議事録作成、報告書の作成などを支援します。役員と連携して会議の準備や運営、重要な事項の報告を行います。

これらは一般的な委託内容の例であり、マンションや管理会社によっては、さらに多くの業務が含まれる場合もあります。管理会社は、専門知識や経験を活かして、マンションの円滑な運営や住民の快適な生活をサポートする役割を果たします。

 


名称の使い分けについては以下のとおりです。

    • マンションの各部屋の所収者 = 区分所有者 = 組合員
    • 区分所有者とその家族や賃貸借契約の賃借人等 = 住民

参考

建物の区分所有等に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337AC0000000069

国土交通省 マンション管理業について
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000253.html

公益社団社団法人マンション管理センター
https://www.mankan.or.jp/

マンション管理業協会
https://www.kanrikyo.or.jp/

 

 

 

 

2023年 夏期休業日について

椿不動産の夏期休業日についてお知らせします。

★夏期休業日:
2023年811日(金)~2023816日(水)

休業明けの営業開始は、817(木)からとなります。
尚、休業期間中のお問い合わせに関しましては、
お問い合わせフォームにてお願いいたします。

https://tsubaki-f.com/contact.php

スタッフ一同

世帯数は2023年がピーク!

世帯数は2023年がピークで今後減少する

 国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の世帯数の将来推計」によると、日本の世帯数は2023年がピークであり、2023年の世帯数5,418.9万世帯が2040年には5,075.7万世帯になることが推計されている。なんと17年で340万世帯が消えてなくなるのである。

日本の人口も2008年をピークに減少に転じている。

 この人口減少、世帯数減少、出生率低下、少子高齢化による日本の将来はどうなるか、不動産に関わる影響を考えてみる。

状況はこう変わる…

 「世帯数の減少=空き家が増える」ことを意味します。人が住んでいた住宅が空くのです。

 これまでは団塊世代の実家(殆どが田舎)が空き家になっていました。農地や山林を含む田舎の不動産は売却が難しく放置状態の方も多いのではないでしょうか。

これからは団塊世代が亡くなり、街中の家が空き家になるのです。

65歳以上の単身者世帯が増加傾向にあります。単身者世帯はその方が亡くなるとそのまま空き家になる確率が高いことを意味します。

 都会に出て就職して結婚し、マイホームを取得。分譲マンションや郊外の一戸建てを購入し定年の前に住宅ローンを完済。子供達は独立しマイホームを取得済み、その際に資金援助もしている。その団塊世代のマイホームが空き家になると、子供達は既に自宅が有るため、そこに住む者は居ないのです。

 街中の住宅(マンションも)が空き家になっていく。空き家が増えるということは、需要に対して供給が増えるため、不動産価格の下落が始まります。

 当然売れない不動産も出てくるだろうし、建物の傷みが酷くそのまま使用できず、かと言って更地にする費用がないなどで相続放棄する者も現れるだろう。
ただし、相続を放棄しても相続人に不動産の管理責任は免れない。それでも放置される空き家は増え、危険な空き家が増える。

 マンションで空室が増えると、管理費や修繕積立金の未収が増え管理状況が悪くなり最悪スラム化することもあるだろう。

 

行政は何をしているのか

相続登記の義務化

 国は相続人に連絡が取れない又は相続人が誰かわからない状況を減らすため、相続が発生した際に登記名義の変更を義務付けるように、民法と不動産登記法改正をしました。施行は2024年4月1日からとなり、相続発生後3年以内の登記名義変更を怠ると罰則(10万円以下の過料)があります。
更に過去に相続して登記を放置している人も対象となり、早めに相続登記を完了させる必要性がある。

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html

 

相続土地国庫帰属制度の創設

相続土地国庫帰属制度により、相続したくない土地を国に引き取ってもらう事が可能になる。ただし、更地で境界が分かり、10年分の管理費(20万円の予定)を収めること等条件があり、何でもかんでも引き取ってくれるわけではない。

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html

 

放置空き家対策

「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」を 閣議決定

https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000160.html

 

状態が悪化する前の早い段階で放置空き家の改善指導や勧告したり、固定資産税優遇を解除できるように法改正

放置された空き家が管理されずに状態が悪くなると、行政により改善の指導があり、それでも是正されない場合は勧告し、固定資産税の住宅用地特例が解除されます。

これまで建物が建っていれば、土地の固定資産税は6分の1(都市計画税は3分の1)に減額されていましたが、今後は建物があっても管理が悪いと減額されなくなります。

 

自分でできる対策は?

 世帯数や人口はだんだん減るので、空き家もだんだん増えていく。

 マンションを空き家で放置すると管理費や修繕積立金、固定資産税などの固定費や一時負担の修繕費用が発生したりすることも有り、持ち続けると出費がかさむ。

 一戸建ては人が住まなくなると劣化が激しくなり早く朽ちていく。放置するだけ修繕費用が嵩むし、最後は建物を解体する費用が発生する。

 

少しでも早く売却するのが吉。

 相続が発生する前に売却する方法を検討しよう。

 親が元気なうちに、万一認知症になっても施設に入る時に自宅を売却できるようにしておく方法の家族信託や余裕がある場合は、子供を任意後見人にしておくなど、早い対策が残された者の負担を軽くする。

 

相談先

 

参考

国立社会保障・人口問題研究所
https://www.ipss.go.jp/index.asp

日本の世帯数の将来推計(全国推計)」
https://www.ipss.go.jp/pp-ajsetai/j/HPRJ2018/hprj2018_PR.pdf

総務省 2020年国勢調査
家族類型別・年代別持ち家割合 総務省 統計局 統計トピックス
https://www.stat.go.jp/data/topics/index.html

総務省 日本の人口のピークは平成20年(2008年)
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1191.html

相続土地国庫帰属制度について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html

相続土地国庫帰属制度の負担金
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00471.html

 

 

分譲マンションを学ぼう vol.3

既に分譲マンションにお住まいの方はよくご存知のことと思いますが、住んだことのない方は分からない事も多いと思います。

このシリーズでは、分譲マンションとは、区分所有法、敷地の権利と敷地権、管理組合と管理会社、管理費等と修繕積立金、マンションの構造と音の問題、長期修繕計画と大規模修繕工事、マンションのメリットとデメリット等について書いていこうと思います。

第3回目は「敷地の権利と敷地権」について書いてみます。

敷地の権利と敷地権

敷地の権利とは

分譲マンションは建物を買う…と言うイメージですが、建物を建築するには土地が必要です。

自分の所有する土地にマンションを建築すると土地の権利は「所有権」となり一般的には殆どの分譲マンションは土地の権利が所有権です。

建物を建築するには土地が自分のものでなくても、土地を借りることにより建物の建築が可能です。土地が借り物の場合、土地の権利は「借地権」となります。

敷地の権利は「所有権」と「借地権」の二つがあります。

借地権のマンション

平成4年8月に施行された借地借家法の「定期借地権」により、それまでと大きく借地制度が変わりました。

普通借地権のマンションは建物が老朽化して建物が解体撤去されたら土地は地主に返ってきます。しかし、それが何時になるか誰にも分かりません。100年後かもしれませんね。

定期借地権のマンションは50年以上の期間で賃借期間が定められており、期間満了日までに更地にして土地を地主に返します。一般的には賃借期間を51年で定められた分譲マンションが多いようです。

広島には普通借地権の分譲マンションと定期借地権の分譲マンションの双方とも建築されています。

定期借地権による分譲マンションのメリットデメリット

メリット:定期借地権のマンションは土地が借地権であるため、分譲時の販売価格に土地代が含まれず、求めやすい価格となります。

デメリット:管理費や大規模修繕に備えた修繕積立金以外に地代(借地料)と建物を取り壊す費用を事前に積立しておかないといけません。

よって固定費が高くなります。

敷地権

敷地権とは何でしょう。上記のとおり土地に対する権利として所有権と借地権があります。

分譲マンションで土地が所有権の場合、区分所有者は土地の共有持分も同時に取得するのが一般的でした。

しかし、建物と土地が別々に登記され、建物だけの売買や土地だけの売買が可能になってしまいます。実際に土地が共有登記の頃は建物だけ所有権移転して土地が旧所有者のまま残っていたりした事がありました。

土地の登記簿には100戸の分譲住宅なら100件以上の所有権移転登記や住宅ローンを借りた時に設定される抵当権設定登記などが膨大な記載量となって、複雑かつ分かりにくい登記となり記載ミスなどが増えました。

また、分譲マンションの完成後に事業主が建物の敷地の一部を売却して、敷地が狭くなり、建物が建ぺい率や容積率を超えて建築基準法違反になった分譲マンションも有りました。

そこで、昭和58年に区分所有法が改正され、マンションでは建物の専有部分と敷地利用権を別々に売却したり抵当権を設定したりするなど、分離処分することが区分所有法によって原則として禁じられました。

区分所有建物の登記方法も改正され、敷地権がある場合は,マンション全体の表題部(一棟の建物の表題部)の「敷地権の目的たる土地の表示」欄に,敷地権となっている土地の所在、地番等が記録され、敷地権となった土地の登記記録の甲区(所有権に関する事項)には、敷地権である旨の登記がされます。

注釈

※敷地権とは、区分所有建物である「一棟の建物の敷地に関する権利」をいい、原則として、その権利は区分所有建物と分離して処分することはできません。

※法改正前に完成した分譲マンションはその後管理組合にて敷地検討機に変更されたマンションもありますが、土地が共有登記のままのマンションもあります。

※規約を別に設ければ、部屋の所有権と敷地権を別々に処分することができます。

まとめ

区分所有者が所有するマンションの敷地の権利は所有権と借地権

区分所有者が所有する一棟の建物の敷地に関する権利は敷地権

参考

国交省 定期借地権の解説
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000106.html

法務省 ○「区分所有建物 「敷地権」とは,どのようなものですか?
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/000130978.pdf

建物の区分所有に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337AC0000000069

 

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