賃貸住宅でも修繕積立金を損金で
分譲マンションでは管理組合が管理規約や長期修繕計画を元に修繕積立金を積み立てて大規模修繕工事費用に充てています。
しかし、賃貸マンションのオーナーが同じことをしても積立金は経費にならず税法上のメリットがありませんでした。
そこで賃貸関係団体が要望を続けてきた賃貸住宅の大規模修繕にかかる共済制度が、2021年10月8日に国土交通省から認可されました。同制度は、分譲マンションの長期修繕計画と同様、賃貸住宅の修繕積立金を賃貸関係団体が立ち上げる共済協同組合の共催掛金とすることで全額損金として認め、計画的に修繕ができるようになります。
対象は、建物性能を維持するための「外壁」と「屋根」となりました。
なお、全国賃貸住宅修繕共済協同組合は、以下の3つの団体により立ち上げられました。
・全国賃貸管理ビジネス協会
・公益財団法人日本賃貸住宅管理協会
・公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会
賃貸住宅の「大規模修繕積立金共済制度」が始まったのです。
オーナーさんの経営計画や資金繰りに影響を与えるものと思います。メリットやデメリットについて見てみましょう。
メリットについて
共済掛金(修繕積立金)を経費にできる
年間100万円を積み立てるとすれば、100万円が全額経費として認められるため、100万円の所得税や住民税の節約になります。10年積み立てると1000万円ですから大きな節税になります。
修繕費を積み立てることにより、計画的な修繕がしやすくなります。積立金が無い場合(自己資金が少ない場合)と比べて金融機関への借り入れもしやすくなります。
定期的に修繕され何時も綺麗な賃貸住宅は人気が落ちず賃料も安定しオーナーにとって有益です。
デメリットについて
修繕積立金の利用目的が「外壁と屋根」に限られますので、それ以外の修繕に使えません。
エレベーターの修繕とか受水槽や給排水管の交換等については別途費用を用意する必要があります。
共済への加入について
共済へ加入するには賃貸住宅修繕共済代理店への申込みが必要です。
加入の流れ
1.建物の劣化状況検査
2.長期修繕計画の策定
3.共済掛金の決定
4.加入申し込み
5.共済金の支払い開始
となります。
詳細は管理を依頼されている管理会社へお尋ねください。
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