令和2年10月24日付日経新聞によると、平井デジタル改革相、河野規制改革相は重説を電子化してメールなどで顧客に送れるようにする方針で合意し、電子化を進めるために関連法を改正すると報じた。
現在、社会実験が行われており、令和2年11月18日現在で842社が参加登録している。
ITとは Information Technology (インフォメーションテクノロジー)の略、重説とは重要事項説明の略で、不動産を借りたり購入する前に不動産会社の宅地建物取引士から当該不動産の重要なことについて説明を受ける事を意味します。
分かりやすく言うと、テレビ会議システムによる重要事項説明の開始だ。
現在の日本で不動産を購入するための簡単な流れは
①不動産を見学しに行く
②気に入ったら購入申込書へ諸条件と住所氏名等を署名捺印して提出
住宅ローンを利用する場合は仮審査を受けておく
③不動産会社が購入う申込書を検討又は仲介業者が売主へ諸条件を交渉
④売主が合意、又は新たな条件で返事をし売主買主が合意すれば売買契約へ
⑤売主の不動産会社又は仲介業者が重要事項説明書や売買契約書を作成し、買主と面談のうえ、宅地建物取引士が書面の重要事項説明書にて重要事項を説明し、説明を受けた買主に署名捺印をいただく
⑥売買契約書の説明を行い売買契約書へ売主・買主が署名捺印して売買契約が成立
⑦住宅ローンの申込~審査~合格~住宅ローン契約
⑧残代金支払いと物件引き渡し、住宅の場合は鍵を受領。
メリット
わざわざ不動産会社へ行かなくても重要事項説明を自宅で受ける事ができる。
不動産に関わる知識を持ち合わせている方にとっては時短になる。
デメリット
ネット通信環境とカメラ・マイクが接続された会議ができる性能を持つパソコンが必要。
説明を受けている間は録画記録される。
机の上に重要事項説明書や添付資料を広げて分かりやすく説明する対面と比べ、画面の中で文章を読みながら説明を受けるので、時間が掛かり、目の負担が大きくなったり、疲労が生じる場合がある。
私見だが
昨年は実現化には時間がかかりそうと思ったが、平井デジタル改革相、河野規制改革相が指示した事により早まる可能性が出てきた。
しかし、⑤番だけをIT化してもメリットは少ない。売買契約書も含めて電子署名で完結できたり、第三者による取り引きの安全性を見守る仕組み(エスクローサービス)、建物のインスペクション義務化、住宅ローンの申込から融資までをスマホのみで完結できる仕組みなど重要事項説明以外の部分もIT化していかないとIT重説は誰も使わないだろう。
アメリカでは不動産購入に現地へ行く必要はなく、全てパソコンで通信し日本に居ながら購入できる。
日本ではまだまだ対面で説明することが続くだろう。
弊社でも対面で丁寧な説明を心がけて営業活動をしてる。
お問い合わせはお気軽に。
参考
国交省報道発表資料
https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000208.html
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001359173.pdf
登録事業者募集・決定(個人を含む売買)
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000156.html
ITを活用した需要事項説明に係る社会実験のためのガイドライン概要
https://www.mlit.go.jp/common/001299411.pdf