2018年1月26日付中国新聞朝刊トップの記事によると
政府は「都市再生特別措置法改正案」を策定し今国会へ提出とある
2018年1月26日付中国新聞朝刊から
その中身は
1.住宅地で空き地を統合し広場や集会所にする際空き物件の持ち主とその周りの地域住民が協定を結ぶ。協定を結んだ空き地は相続の際も長期活用できる仕組みを創設。
協定は市町村が認定し、有効期間内は相続や売買があっても土地を引き継いだ持ち主にも効力が及ぶ。
2.協力する空き物件の持ち主へは飴として固定資産税を最長5年間3分の2に軽減。
3.施設の維持管理は市町村が指定するNPOなどに委託することが条件。
4.空き物件の使い道は、駐車場、防犯灯、自治体の案内板も検討で整備費の負担や賃貸料の有無は話し合いで決める。その際整備費の一部が補助される場合もある。
5.これらはコンパクトシティー構想の区域内での取り組みが対象。
6.その他、価格が安く不動産会社が仲介を敬遠するような空き物件の活用に向け自治体が調整役を担う制度も導入
である。
さて、1から5まではコンパクトシティー構想区域内という事で、主要駅周辺など都市化された地域が対象である。従って田舎は対象外なのだ。コンパクトシティー構想区域内であっても、都合よく広場になる様な隣同士で空き地があるとは思えないし、数多くの広場や集会所は不要なので、活用できるのはほんの一部となる。飴もショボい。僅か5年固定資産税を3分の2に軽減されてもその後は高い固定資産税を負担しなければならない。
コンパクトシティー構想区域を外れた地域の方が遥かに空き家が多いのだが、それは対象外。
6にしても不動産会社が敬遠するのは価格だけが原因ではない。流通市場が乏しいからだ。
根本的にコンパクトシティー構想区域外の空き家を自治体が斡旋する事はコンパクトシティー構想と矛盾する。
参考
コンパクトシティとは(コトバンク)
https://kotobank.jp/word/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%B7%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC-154538
国土交通省『集約型都市構造の実現に向けて』
http://www.mlit.go.jp/common/000128510.pdf
広島市都市計画マスタープラン(改定素案)
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1368142863828/files/toshi_mas_soan_outline.pdf