近年、少子高齢化・人口減少という言葉はニュースなどで度々耳にすることは多いですが、日本におけるマンション家賃の高騰は、人口減少という背景がありながらも続いています。
その要因には、都市部における世帯数の増加や住宅需要の高まりが挙げられます。
以下、主な要因を4つ挙げてみます。
1. 都市部への人口集中
地方の人口は減少していますが、東京や大阪、福岡といった大都市圏では人口の集中が続いています。特に若年層や働き盛りの層が地方から都市部へ移住する傾向が強まり、都市部の住宅需要が増しています。この「都市への一極集中」により、限られた物件に対する競争が激しくなり、家賃が高騰しています。
※グラフ単位は㎡単価
参照:【東京カンテイ プレリリース マンション賃料価格 2024.9.17】を基に椿不動産が作成。(集計対象はファミリータイプのみ。30㎡未満の住戸、事務所、店舗用は除外)
2. 世帯数の増加
人口は減少していますが、家族形態の変化や単身者の増加により、日本中で世帯数は増えています。今後も増え続ける可能性は高く、住宅ストック数が供給であるなら、需要は人口ではなく、世帯数となります。
3.外国人居住者の増加
日本の労働力不足を背景に、外国人労働者や留学生の増加も都市部の住宅需要に影響を与えています。彼らが多く住むエリアでは、賃貸需要が拡大し、それが家賃の上昇圧力となっています。
4.投資需要の高まり
低金利が続く中、資産運用の一環として不動産投資の人気が高まっています。都市部のマンションを投資物件として購入し、賃貸に出すことで収益を上げようとする動きが増えているため、家賃が市場で上昇しやすい傾向にあります。
まとめ
都市部では人口減少よりも、需要が供給を上回る構造が続いているため、家賃の上昇が続いています。特に、都市部で生活の利便性や仕事の機会を求める人々が増える一方で、新規供給が減少していることが価格上昇の主な要因です。
都市部での家賃の上昇は生活費の増加を引き起こし、家計への影響も少なくありません。このため、地方活性化の取り組みや居住エリアの分散化も重要な課題とされています。