分譲マンションを学ぼう vol.2

既に分譲マンションにお住まいの方はよくご存知のことと思いますが、住んだことのない方は分からない事も多いと思います。

このシリーズでは、分譲マンションとは、区分所有法、敷地の権利と敷地権、管理組合と管理会社、管理費等と修繕積立金、マンションの構造と音の問題、長期修繕計画と大規模修繕工事、マンションのメリットとデメリット等について書いていこうと思います。

第2回目は「建物の区分所有に関する法律」について書いてみます。

区分所有法とは

専用部分と共有部分

「建物の区分所有に関する法律」、短く言えば「区分所有法」は、マンションのような建物を一部分だけ所有することができるようにするための法律です。この法律があるおかげで、マンションの一室だけを買うことができます。

さて、想像してみてください。あなたが購入したマンションの部屋は、あなたの財産です。これを「専有部分」と言います。でも、エレベーターや廊下、駐車場のような全ての住人が使う部分はどうでしょう?これらを「共有部分」と言います。マンション全体を構成するこれら共有部分の所有権は、マンションの住人全員で分け持つことになっています。

つまり、マンションの一部屋を買ったとき、あなたはその部屋(専有部分)だけでなく、マンション全体の一部(共有部分)も一緒に所有することになるんです。

でも、共有部分はどうやって管理するのでしょうか?エレベーターや廊下の清掃、修理、マンションのルール作りなど、誰が決めるのでしょうか?そこで出てくるのが「管理組合」です。これはマンションの住人全員で作る団体で、共有部分の管理やマンションのルールを決めます。この管理組合の存在も、区分所有法によって定められています。

区分所有法は、マンションの共有部分の使用や修理、そして大規模な建て替えに関するルールを設けています。共有部分をどのように使って良いのか、修理が必要な場合はどうすべきなのか、そして建て替えが必要になったときはどのような手順を踏むべきなのか、といったことが定められています。

例えば、エレベーターや廊下などの共有部分は全ての住人が使用しますが、それらを自由に改造したり、一人だけが独占したりすることはできません。また、これらの部分の修理やメンテナンスは、管理組合が計画を立てて行うことが一般的です。その費用は、各住人が出し合う形で負担されます。

そしてもしトラブルが起きた時、例えば共有部分を勝手に改造したり、大きな音を出して他の住人に迷惑をかけたりした場合、区分所有法はその解決の仕方も示しています。

つまり、区分所有法は、マンションの専有部分と共有部分の関係や、共有部分の管理方法、トラブルの解決方法など、マンションで快適に生活するためのルールを定めた法律なのです。

大まかなルール(管理規約)

専有部分の管理と利用: 区分所有者は自分の部屋(専有部分)を自由に利用できますが、それは他の人の生活を尊重しながら行う必要があります。大きな音を出す、壁を勝手に壊すといった行為は、他の住人の生活を妨げる可能性があるため、許可されていません。

共有部分の利用: 区分所有者は、エレベーターや廊下、駐車場といった共有部分を利用する権利があります。しかし、これらの部分は全ての住人が使用するため、一人が独占したり、無断で改装したりすることはできません。

費用の負担: マンションの維持や運営には費用がかかります。これらの費用は、全ての区分所有者が平等に負担することが原則です。例えば、エレベーターの修理費用や、管理人の給料、電気・水道・ガスの共益費などです。

管理組合の参加: 区分所有者は全員が管理組合の一部となり、管理組合の運営に参加する権利と義務があります。管理組合では、マンションの運営に関する決定を行ったり、問題が起きたときの対処を決めたりします。

ルールの遵守: 管理組合が定めたルールや、区分所有法に従うことは、区分所有者の重要な義務です。ルールを破った場合、罰則が課せられることもあります。

建て替え:マンションが非常に古くなったり、大規模な地震などの災害で大きなダメージを受けたりした場合、全体を建て替えることが必要になることがあります。これは大きなプロジェクトで、多額の費用と時間を要します。建て替えを行うには、管理組合の4分の3以上の所有者から同意が必要となります。

大規模修繕:マンションが年を取ってくると、屋根や外壁、エレベーターなどの大規模な修繕が必要になることがあります。これらの修繕は通常、修繕積立金から支払われます。修繕積立金は、区分所有者が毎月少しずつ積み立てていくもので、予期せぬ大きな修繕費用に対応するための「貯金」のようなものです。

区分所有者の権利と義務

区分所有法は、マンションに住む全ての人たちが安心して生活できるように、各住人の権利と義務を明確に定めています。例えば、各住人は自分の部屋(専有部分)を自由に利用できますが、同時に、他の人の生活を尊重する義務も持っています。大きな音を出してはいけないとか、共有部分を勝手に改造しないというルールがあるのはそのためです。

また、区分所有法は「管理組合」を作ることを義務付けています。これは、マンションの運営やルール作り、共有部分の維持管理などを行う組織です。そして、管理組合は全ての区分所有者が参加することができ、その一人ひとりが投票権を持っています。これにより、マンションの運営が公平に行われることを保証しています。

さらに、区分所有法では、マンションの大規模修繕や建て替えなどの大きな決定についても規定しています。これらは全ての住人に影響を与えるため、多数決によって決定されます。また、これらの費用は全ての住人が出し合う形で負担されます。そのため、マンションに住むということは、一緒に住む他の人たちと協力して、良い環境を保つ責任を共有するということでもあるんですね。

このように、区分所有法はマンション生活を円滑にするための大切なルールを定めた法律です。マンションに住んでいる人、これから住む予定の人は、ぜひこの法律を知って、良いマンション生活を送ってほしいと思います。
これらの点を理解し、守ることで、各区分所有者は自分だけでなく、他の住人とも円滑に共生することが可能になります。また、これらはマンションを購入する際の重要な考慮点でもあります。マンション選びの際には、これらの規定をよく理解したうえで、自分のライフスタイルに合ったマンションを選ぶことが重要です。

管理組合

さらに詳しく話すと、管理組合についての理解を深めることも重要です。

管理組合はマンションの運営を担当し、その活動は管理組合規約によって規定されています。管理組合の会議は、定期的に行われ、区分所有者全員が参加することが期待されます。ここで、大規模修繕工事の計画、管理費や修繕積立金の設定、管理会社の選定など、マンションの運営に関する多くの重要な決定がなされます。

もし区分所有者が管理組合の会議に参加しないと、自分の住むマンションについての決定に影響を与えることができないだけでなく、他の所有者からの信頼も失う可能性があります。また、区分所有者は自分の意見を共有し、他の所有者と協力することによって、より良いコミュニティを作ることができます。

さらに、区分所有法では、マンションの老朽化に対処するための長期修繕計画の策定が求められています。これは、大きな修繕工事が必要になった時に備えて、修繕積立金を適切に積み立てていくための計画です。長期修繕計画は、マンションの寿命を延ばし、快適な住環境を維持するために重要な役割を果たします。

以上のように、「建物の区分所有に関する法律」は、区分所有者がマンション生活を円滑に行うための基本的なルールを提供します。この法律を理解し、それに従うことで、マンションの適切な維持・管理と快適な共同生活が可能になります。

建て替えや大規模修繕

それでは、マンションの建て替えや大規模修繕についても触れてみましょう。

マンションの建て替えや大規模修繕のプロジェクトは全て、区分所有者の同意を得て管理組合が行います。つまり、区分所有者はマンションの未来について決定を下す重要な役割を果たします。このように、マンションの適切な維持・管理は、区分所有者一人ひとりの参加と責任によって支えられているのです。

また、建て替えや大規模修繕については、購入前にもしっかりと調査することが重要です。特に中古マンションを購入する際は、これまでの修繕履歴や管理組合の修繕積立金の状況などを確認し、未来のリスクを予測することが求められます。

これらを理解し、守ることで、各区分所有者は自分だけでなく、他の住人とも円滑に共生することが可能になります。また、これらはマンションを購入する際の重要な考慮点でもあります。マンション選びの際には、これらの規定をよく理解したうえで、自分のライフスタイルに合ったマンションを選ぶことが重要です。

おまけ

ChatGPT に
「日本の 建物の区分所有に関する法律 について小学生でも分かるように優しく説明して」
と質問したら以下の答えが返ってきました。

ChatGPTの答え

「建物の区分所有に関する法律」は、マンションのような建物にたくさんの人が一緒に住むためのルールを決めた法律だよ。

たとえてみると、マンションは大きなパズルのようなものだと思ってみて。各家庭が住む部屋(専有部分)は、パズルの一つ一つのピース。そして、そのピース全体が一つの大きな絵(全体の建物)を作り上げているんだ。

このパズルの一つ一つのピース(専有部分)は、各家庭が自由に使うことができる。でも、パズルの枠や他のピースとのつなぎ目(共有部分)はみんなで大切に使わなくてはいけない。エレベーターや階段、廊下などが共有部分に当たるよ。

また、パズルのピース(専有部分)を持っている人たちは、自分のピースだけでなく、パズル全体(マンション全体)のことも考えないといけない。だって、ピース一つが壊れてしまったら、パズル全体が崩れてしまうかもしれないからだよ。

そのために、みんなで作る組織(管理組合)があり、その組織がマンション全体のことを考え、決定をしていくんだ。そしてそのルールや決定には、法律が基づいているわけだよ。

この法律は、みんなが快適にマンションで生活できるように、また何か問題が起きた時にうまく解決できるように、とっても大切なルールを決めているんだよ。

では、さらにこの話を深めてみようね。
この「建物の区分所有に関する法律」は、君が自分の部屋(専有部分)で何をしてもいいという自由と、他の人たちと一緒にマンションを綺麗に保つという責任のバランスを教えてくれるんだ。

たとえば、君の部屋では自由に遊ぶことができるけど、壁をたたいたり大きな音を出したりすると、隣の人に迷惑をかけてしまうよね。だから、自分の部屋で何をするかを決める時には、他の人のことも考えないといけないんだ。

さらに、マンションに住んでいると、たまに大きな修理が必要になることがあるよ。たとえば、エレベーターが壊れたり、外壁を新しく塗り直さなければならない時だね。そんな時には、マンションに住む全ての人がお金を出して修理費用を払うことが求められるんだ。これも、マンション全体を一緒に維持するという意味で、大切なルールなんだよ。

この法律があるおかげで、各家庭が自由に生活しながらも、一緒にマンションを大切に使っていくことができるんだ。だから、この「建物の区分所有に関する法律」は、マンション生活を円滑にするための重要なルールなんだよ。

それから、この「建物の区分所有に関する法律」には、マンションの管理組合というものが設けられていることも書かれているんだ。

君がサッカーチームに所属しているとしよう。チームのみんながいい試合をするためには、どのポジションを誰が担当するか、練習の時間は何時から何時までにするか、みんなが守るべきルールは何かなどを決めないといけないよね。それを決めていくのがキャプテンやコーチだと思ってみて。

マンションの管理組合もそれと似ているんだ。管理組合は、マンションに住む全ての人々が快適に暮らすために、共有部分の清掃や修理、マンションのルール作りなどを行うのが役割なんだよ。そして、それを決めていくのが管理組合の役員たちなんだ。

この管理組合を通じて、マンションの住人たちは一緒にマンションの運営を行い、互いの生活を尊重しながら共に暮らすことができるんだ。

だから、この法律はマンションのルールだけでなく、マンションでの人々の関係性や協力の仕方も示してくれているんだよ。みんなで協力して、一緒に住む場所を守っていくための大切な法律なんだね。

さらに、「建物の区分所有に関する法律」は、もしもトラブルが起きたときの解決方法も示しているんだ。

例えば、友達と一緒に遊んでいて、うっかり友達のおもちゃを壊してしまったとき、どうすればいいかわかるかな?そうだね、まずは謝って、壊れたおもちゃを直すか、新しいものを買ってあげることが大切だよね。

でも、マンションのような大きなコミュニティでは、もっと複雑な問題が起こることもあるんだ。例えば、ある住人が共有部分を勝手に改装してしまったり、大きな音を出して他の住人に迷惑をかけたりしたとき、どうすればいいかな?

この法律では、そのような問題が起こったときには、まずは話し合って解決しようとすることを推奨しているんだ。でも、話し合いだけでは解決できない問題があったときには、裁判所に行って裁判官に判断を仰ぐこともできるようになっているんだよ。

つまり、「建物の区分所有に関する法律」は、自分の部屋を自由に使うこと、みんなでマンションを守ること、そして何か問題が起きたときにはきちんと解決すること。これら全てをバランスよく行うための大切なルールを教えてくれるんだよ。

だから、マンションで暮らすときには、この法律を知っておくことが大切なんだね。

2023年6月9日現在、マンション建替えに関する法改正の審議中です
建物区分所有法の一部を改正する法律案に関する要綱案(案)
https://www8.cao.go.jp/kisei/giji/02/wg/infra2-3.html

参考

建物の区分所有に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337AC0000000069

 

 

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