4月から宅地建物取引業法一部改正

既存住宅(中古住宅)の個人間取引で売主買主が安心して取引出来るように市場環境整備

4月1日から宅地建物取引業法(以後「業法」と表示)の一部が改正された。
既存住宅の取引では、取引する住宅の状況が分からないまま取り引きして、引き渡し後にトラブルになることもあったが、今回の業法改正で引き渡しまでに建物状況調査をして、売主買主相互が確認のうえ取引できるようになった。

建物状況調査(インスペクションの一種)とは、建物状況調査技術者講習を受講終了した建築士が既存住宅状況調査方法基準に従って行うもの。

調査の中身は

ア.構造耐力上主要な部分(基礎、土台及び床組、床、柱及び梁、外壁及び軒裏、バルコニー、内壁、天井、小屋組)
イ.雨水の侵入を防止する部分(外壁、内壁、天井、屋根)
となる。
オプションで既存住宅売買瑕疵保険加入のための調査や床下や小屋裏の詳細調査も依頼できる。

建物状況調査費用は延べ床面積100平方メートル位の建物で約4万円(税別)から6万円(税別)だが、住宅の広さや種類、オプション調査の追加等により費用が異なる。

何時、誰が、どうやって頼むか

不動産仲介業者が媒介契約時(不動産売買の依頼時)にあっせんする。
売主から売却の依頼を受けたときに不動産仲介業者は、建物状況調査制度というものがあり、知り合いに建築士が居なければあっせんしますよ。と説明するか、斡旋はしません。と説明する。
又は、買主から購入の媒介依頼を受けた不動産仲介業者が、安心して購入するために、建物状況調査制度というものがあり、建物状況調査を受けませんか。知り合いに建築士が居なければあっせんします。と説明するか、斡旋はしません。と説明する。
何れにしても売主又は買主が自ら依頼するのだ。そして依頼したほうが料金を支払う。

不動産仲介会社の義務

不動産会社は売買契約前に説明する重要事項説明書で、
①建物状況調査を行っているかどうか
②実施している場合における建物状況調査の概要
③設計図書等の建物の建築・維持保全の状況に関する書類の保存の状況
を説明しなければならない。。

この建物状況調査は

売主は建物の状況を第三者が作成した報告書により自らが気づかなかった不具合について買主へ告知できるし、買主は自分の目で確認できない建物の現況を知ることで、将来の修繕計画や修繕費用を前もって知ることが出来る。

その他の改正では

建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の保存状況に関する重要事項の説明が加えられ、
1)建築基準法令に適合していることを証明する書類
検査済証
2)新耐震基準への適合性を署名する書類
耐震基準適合証明書、固定資産税減額証明書、耐震診断の結果報告書、住宅耐震改修証明書、
3)新築時及び増改築時に作成された設計図書類
建築確認済証及び確認申請時の図面類、検査済証、
4)新築時以降に行われた調査点検に関する実施報告書
建物現況調査結果報告書、既存住宅性能証明書、定期検査報告書、シロアリ点検報告書
の説明が義務付けられました。
これらは既存住宅購入者が法令適合性確認、将来のリフォーム・メンテナンスの実施、既存住宅売買瑕疵保険に加入、住宅ローンを借り入れ時に必要となる書類であることから、保存状態の説明と引き渡しが必要なため加えられたものである。

国交省の概要(PDF)
http://www.mlit.go.jp/common/001180483.pdf

購入者が依頼するときの注意事項

建物が新耐震基準に適合し、状況調査に異常がなければ、既存住宅売買瑕疵保険に加入できる場合がある。しかし、建物状況調査の資格と既存住宅売買瑕疵保険の登録検査事業者資格は異なり、双方の資格が必要なのだ。
もっと言えば、既存住宅売買瑕疵保険の住宅瑕疵担保責任保険法人によって審査基準が異なり、A保険には加入できないが、B保険なら加入できる...様な事もある。
既存住宅売買瑕疵保険の審査に適合した住宅を購入すれば、住宅ローン控除や登録免許税(登記費用の一部)の軽減措置も有る。
この建物現況調査且つ複数の既存住宅売買瑕疵保険の検査事業者となっている、保険に詳しい建築士を選ばないと、後々損(後悔)をすることになる。
結果、それらに詳しい不動産仲介業者へ購入の依頼をすると一番安心だ。

最後に

ここまで書いてきたことは、これまででも優良な不動産会社であれば普通に実施してきたことであり、特別なことではない。
これまで何もしてこなかった不動産会社へ向けた改正である。
一番の問題点は、建物状況調査は強制ではなく罰則規定もないことだ。