不動産(土地)の価格について
皆さんは不動産(土地)の価格と聞いて頭の中に何を思い浮かべるだろうか。
7月に発表があった路線価だろうか。
4月に請求が来た固定資産税納税通知の課税標準額や評価額だろうか。
3月に発表があった地価公示だろうか。
新聞の広告や折込チラシに表示された近所の売り土地の価格だろうか。
とここまで読んで不動産に様々な価格がある事に気付かれただろう。
土地は一物四価とも言われ、それぞれの事情で価格が異なる。
価格の低い順から解説すると、
「固定資産税評価額」は地方自治体が固定資産税(都市部では都市計画税も)を課税するために作った価格である。固定資産税意外にもこの評価額は不動産売買時には所有権移転登記の登録免許税(国税)算出の元となり、不動産取得税(都道府県税)算出の元となる。
「路線価」は国が相続税を課税するために作った価格である。この路線価を元に土地の相続税評価額を計算する。都市部以外では路線価は表示されておらず固定資産税評価に国税庁が定めた倍率を掛けて相続税評価額を算出する。
「地価公示」は国が土地取引の目安にする為に作った価格である。
地価公示で賄えない地域を都道府県が「基準地価」として毎年9月に発表する。
地価公示も基準地価も土地取引の指標となる。
一般的に固定資産税評価の1割り増しが路線価、同2割り増しが地価公示と言われる。
さて、これまでの価格は役所から依頼された不動産鑑定士が前年の取引事例を元に補正したり景気指標等を勘案して算出したものだ。
広告表示された不動産価格は今の価格である。
不動産会社が査定して付けた価格であったり、売主が希望する価格である。
そのまま売れたらそれが相場と言われる流通価格なのだ。
バブルが崩壊した時、前年取引された価格を元に算出された地価公示は誰も信じない。実際の相場は遥かに低かったのだ。
一方消費税が5%から8%に増税される数年前から駆け込みで新築用の土地を求める人が殺到し地価が上昇して行った。そんな中で昨年の取引を基準に算出された地価公示価格より高い価格での取引となった。
実際に売買するときに価格を決めるのは流通市場であるが、それを誘導するのは不動産仲介業者である。市場を見ながら価格のアドバイスを行う。
売れなければ価格を下げていくし、売れれば次回その価格を基準とした査定を行う。買主が殺到する様であれば価格を上げて行く。
相続した不動産、将来相続するであろう実家の不動産、残したい不動産もあれば処分したい不動産もあるだろう。
自分で不動産の価格を知ろうと思えば上記の様な役所が公開した路線価や地価公示で大まかな価格を知ることが出来る。
しかし、実際に売却する際は信頼できる不動産会社へ査定依頼をする事が売却成功の秘訣である。
さらに、早く売りたいとか近所に内緒で売りたいときは、不動産会社に買い取ってもらう方法もある。価格は安くなるが、すぐに現金化できることや、不具合があっても補修が不要など後々の面倒が無い。
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