市街化調整区域での開発は不可能に
2019年4月13日付中国新聞朝刊記事によると、福山市は市街化調整区域内での開発を許可する宅地造成特例を本年度で廃止する条例改正案の提案を目指す。
本来市街化調整区域では住宅の建築はできないが、市の特例により、50戸以上の住宅や店舗が立地していれば宅地造成を特例で認めていた「50戸連たん制度」を廃止する。
特例によりこれまで年200戸から300戸の許可を出していた。
廃止の理由はコンパクトシティー構想の実現に向けたもの。
コンパクトシティー構想とは、都市再生特別措置法に基づいて策定された「立地適正化計画」のこと。
将来の人口減少社会に対応した立地適正化計画(いわゆるコンパクトシティー構想)により、都市機能誘導区域(行政・商業施設・病院等を集約)や居住誘導区域(住宅を集約)を定め、コンパクトな街づくりをしていこうとするもの。
これにより、市街化調整区域の土地は住宅の建築が出来なくなる。不動産会社にとっては大きな痛手となるだろうが、中途半端で無計画な開発が減る。
既にお気づきだと思うが、市街化調整区域は将来の換金化がほぼ不可能ということになる。しかも、それだけに収まらない。隣接する市街化区域であっても、調整区域の開発が無いためそれ以上の発展は望めない。そして、コンパクトシティー構想の居住誘導区域に入らない区域は市街化調整区域と同様にますます人口が減る。人口が減る地域は現在の過疎化地域と同じ運命を辿ることになる。
もし、そのような地域にお住まいの方や土地をお持ちの方は、今のうちに、住み替えを計画したほうが良い。
ファイナンシャルプランナー 香川文人